マーチスコープ品質・生産管理・レティクル・管理部スペシャリスト 取締役 吉江守正インタビュー
Posted 05/31/2023
吉江は、マーチスコープを製造しているDEON – ディオンオプティカルデザインの創業者(清水、西窪、吉江)の一人であり、現在品質・生産管理・レティクル・管理部等の責任者を務めている。(原文2019年7月記載)
なぜ、起業されようと思ったのですか?
世界トップクラスのライフルスコープメーカーにOEM供給する光学メーカーで、生産管理を担当していました。充実した毎日で、30年以上勤めましたが、そこでできることの限界を感じるようになりました。そこで、仲間と一緒に自分たちの会社を立ち上げることにしたんです。限界のない仕事をしたかった。最高の素材を使い、ライフルスコープの組み立てはすべて熟練工の手で行いたいと思った。前の会社では、材料費と工賃に制約がありました。もちろん、それは当たり前のことなのですが、私は究極のプレミアムクオリティでライフルスコープを作りたかったのです。自社ブランドのスコープを作れるようになるまでの3年間は、貸事務所に集まってはアイデアを出し合いました。それは今でも良い思い出として残っています。
何を担当して、何に注力していますか?
写真にある3台のパソコンをすべて使っています。
生産管理、資材調達、輸出入業務、海外・国内営業、広告宣伝(カタログ、ホームページ作成)、総務、経理、問い合わせ対応、レティクルデザインなどを行っています。以前は一人でやっていたのですが、今は担当者がいるので、すべてがスムーズに進むように配慮しています。自分が学んできたこと、蓄積してきたことをスタッフに伝え、教えることに重きを置いています。以前より時間に余裕ができたので、以前は十分にできなかった広告宣伝に時間を割くことができるようになりました。
CADの使い方は、55歳の時に必要に迫られて会社を立ち上げてから学びました。自社ブランドのスコープの製造を開始する前は、他社のデザインを担当していました。だから、自分たちのデザインを売るためには、CADを使う必要があったんです。今でも毎日、独学でスキルアップしています。海外の販売店やディーラーから素晴らしいレティクルのアイデアを受け取ったとき、私はCADを使って彼らのデザインを実際の生産設計に実現します。私たちに欠けているのは、海外の射撃家がどのようにレティクルを使用するかという知識なので、刺激的な新しいレティクルのアイデアをたくさんいただけることに感謝しています。
56歳の時にAccessで資材調達管理システム、受注管理システムを作りました。完成までに1年以上かかりました。自分で作ったことで500万円から600万円の経費を削減することができました。
また、お金を節約するために、日本語のホームページも一から独学で作りました。60歳を過ぎてからWord Pressの使い方を覚えました。
カタログは毎年作っています。最初の数年は広告会社に発注していましたが、その会社のデザインがあまり好きではなかったので、翌年からカタログを作るようになりました。デザインは、現代的でありながら、どこか日本的であることを意識しています。今年(2019年)のカタログは、表紙を日本の伝統的な格子柄にしました。
やろうと思えば、不可能なことはありません。私は、仕事だけでなく、この不屈の精神、そしてもちろん学ぶことの楽しさも社員に教えたいと思っています。そのため、社員には社外授業に参加する機会を設け、そのための書籍代も負担しています。
どんなことが大変だと感じますか?
お客さまが工場にいらっしゃるのであれば、製品そのものをお見せして十分に説明することができます。しかし、電話やメールでは、なかなか細かいところまで説明することができません。これは大変だと思うので、だからこそ、ウェブサイトやカタログを使った商品説明にもっと力を入れたいと考えています。そのために、2019年6月にグローバルサイトをリニューアルしました。桜とお城が写っているこの写真は、私の家の近所で撮ったものです。ホームページで使用している写真は、すべて地元で撮影しています。長野はセイコーエプソン株式会社をはじめとする精密製造業の中心地であるだけでなく、自然も豊かなところです。また、有名な日本酒の酒蔵もありますので、ぜひ長野を訪れてみてください。
あなたの趣味は何ですか?
働くことです。私は一日中働くことができ、それを楽しむことができる伝統的な日本男児であると自称していますリラックスして家族と過ごすはずの休暇中も、あらゆる手段でメールをついチェックしてしまいます。
仕事以外では、近所を散歩するのが趣味です。諏訪湖の近くに住んでいるので、美術館や温泉がたくさんあります。夏には家から諏訪湖の花火が見えるんです。とてもきれいですよ。
引用 : https://tabiotaku.com/suwako-hanabi-1/
あなたの座右の銘は何ですか?
まずは真似をして、継続的に努力することで、自分の財産になる。
また、もう一つ伝えたい座右の銘があります。
2019年6月、岩手県にいる旧友に会うため、同窓会に行ってきました。2011年、岩手県は東日本大震災に見舞われ、旧友は家族を失いました。震災が起きた頃、私は心に響く一篇の詩に出会いました。ノーマ・コーネット・マレックの「Tomorrow Never Comes」です。人は、いつでも明日があると思いがちです。でも、これからの人生は、一日一日を大切に、悔いのないように生きていきたいと思っています。
編集 : 森田真理