マーチスコープ光学設計のスペシャリスト 取締役 西窪泰利 インタビュー
Posted 05/31/2023
西窪は、マーチライフルスコープを製造するDEON – Deon Optical Design Corporationの創設者の一人である。(原文2019年7月記載)
なぜ起業しようと思ったのですか?
子供の頃、遠くのものが大きく見える望遠鏡がとても好きで、夢中になっていました。厚紙を丸めて虫眼鏡のレンズを入れ、手作りの望遠鏡を作っては友達に見せていました。
赤と青の色収差が大きい倒立像でしたが、望遠鏡で遊ぶのは楽しかったですね。
光学機器への情熱は自然とこの業界へとつながり、光学メーカーで30年以上、多くの世界的メーカーの光学製品を開発してきました。
そして、55歳の定年を迎えたとき、仲間とともに究極のプレミアム品質を誇るライフルスコープを自分で作りたいと思うようになりました。
担当されていることと、やりがいを感じることは何ですか?
レンズの設計と、ライフルスコープの最終検査を担当しています。レンズ設計に正解はありません。複数の答えがあってもいいと思っています。今日ベストだと思ったものが、明日もベストとは限りません。1週間も考え直せば、もっといいアイデアが浮かぶこともあります。だから、より良いアイデアを探すために、思考を止めることをしません。最も難しいのは、品質、コスト、製造や組み立てのしやすさのバランスを保つことだと思います。
▲この長い管状の装置は「コリメーター」と呼ばれ、焦点の位置を調整したり、レンズなどの部品を傾けることなく正確に組み込むために設計されています。写真には2つのコリメーターが写っています。1つは100yard、もう1つは無限遠の位置で調整されています。
組み立て時に無限遠の位置やレンズの位置を調整するときや、一番きれいに見える状態を調整するときにコリメータを使用します。最終検査では、無限遠の状態での解像度を確認します。
また、MIL、MOA用の調整器具のクリック移動が正確かどうか、ボックステストを行います。コリメーターには、それぞれ異なる用途があります。
▲
(右上)携帯電話で撮影しているため、画像が粗くなっています、
ライフルスコープの解像度を測定するコリメーターデータと呼ばれる画像です。
クリエイティブになるために、どのような努力をしていますか?
40年前、私たちは収差図を手書きし、ポケット電卓で光線の一本一本を計算しながらレンズを設計していました。一日中、電卓を使い続けるのが仕事でした。しかし、今はコンピュータのおかげで数百本の光線を瞬時に計算し、収差図もプリントアウトできるようになりました。ライフルスコープのレンズの性能を、試作品を作る前に評価できるのも、技術の進歩によるものです。
その上、私たちが想像もしなかったような新素材を使ったメガネが次々と開発されています。まったく新しい製品を開発できるのですから、喜びはひとしおで、新しいものはどんどん取り入れていきたいと思っています。
どのようなことに取り組んでみたいですか?
アナログカメラがデジタルカメラに進化したように、ライフルスコープもデジタル化されつつあります。電池がなくても使えるというアナログスコープの良さを生かし、デジタル化と融合した新しいライフルスコープを作りたいと考えています。
あなたの趣味は何ですか?
レンズをデザインすることです。飽き足りることはありません。レンズを設計することは、私にとっては単なる仕事ではありません。私の人生そのものです。一日中、レンズを設計することができます。こんなにも情熱を傾けられるものに出会えたことは、とても幸運なことだと思います。
その他、ぶどう栽培、格闘技観戦、映画鑑賞も趣味です。
あなたの座右の銘は何ですか?
好きなことを見つけて、自分の人生を楽しんでください!
西窪の功績
2007年 世界で初めてEDレンズを使用したベンチレスト射撃競技用40×52スコープ用レンズを開発する。
2008 40×52の姉妹スコープである50×52、60×52、10-60×52、5-32×52のレンズを開発する。
2009年 世界初の10倍率ライフルスコープ1-10×24、2.5-25×42のレンズ開発。
2010年 世界最高倍率の10倍率スコープ8-80×56、5-50×56のレンズを開発。
2011年 3-24xFFPライフルスコープ用レンズ開発。
2012 5-40xFFPライフルスコープ用レンズ開発。
2013 1-8x24FFPライフルスコープ用レンズを開発。
2014 2.5-25x、3-24×52用レンズを開発する。
2016 1-4.5×24、40-60×52用のEPレンズを瞳孔径を大きくして開発する。
2017年 8倍率スコープの中で、世界最短のライフルスコープ1-8×24 Shorty用レンズ開発。
2018年 世界最高倍率のFFPスコープ「GENESIS」のレンズを開発。6-60x56FFP(GENESIS)、4-40×52(GENESIS)用レンズの開発。
編集 : 森田真理