日本語・カタログ
日本語・カタログ
MENU

マーチスコープ金物設計のスペシャリスト 代表取締役 清水 文雄 インタビュー

Posted 12/08/2022

金物設計のスペシャリスト 代表取締役  清水 文雄 Fumio Shimizu (2019年7月記載)

清水は、マーチライフルスコープを製造するDEON – Deon Optical Design Corporationの創設者の一人である。

 

起業理由について教えて下さい。

長い間、光学製品の設計・開発に携わり、メーカー・販売会社の特に高級機種のOEM生産の仕事を行ってきました。ですが、年齢的に55歳を超え、残された時間を思い切り好きな開発の仕事をしながら、光学業界に少しでも寄与できればと仲間と共に、DEONを創業、世界最高の品質と性能を目指し、可能性を追求したいと考えたのが私の起業理由と言えます。

 

仕事内容を教えて下さい。

社長業務は片手間に、新製品のハードウェアの企画・開発を楽しんでいます。DEONでは、年に数本は新製品を出そうということで日夜開発にいそしんでいます。

2019年のShot Show(@ラスベガス)・IWA(@ニュルンベルク)の展示会で発表した生産モデルの新製品“ジェネシス”は傾斜レールやプリズムシステムなどを一切必要としない、今までの固定概念を覆した大変画期的なスコープです。エレベーションダイヤルを回すだけで、スコープに傾斜が簡単につきます。20mから何と3マイル(4827m)まで対応でき、400MOAの上下移動調整量があります。このジェネシスは実は私が汗水流して開発したスコープです。

海外の射手達が遠距離射撃をする際に、傾斜のある土台をスコープの下につけますが、固定されている台座なので、様々な距離に対してすぐに射撃体勢に入るのが困難な状況を何とか改善したいと思ったのが開発のきっかけです。既存製品には無い完全に新しい仕組みなので、正確に作動するか海外の販売店にも時間をかけてテストをしてもらい、ようやく生産モデルを2019年に発表することが出来ました。

このジェネシスは日本政府から特許を授与され、現在海外の他国でも申請中です。自分の作った製品が新規性や進歩性などを認められて、特許をとることができ、やはり嬉しいものですね。正真正銘、特許証に私の名前が入っていますよ。

それからここだけの話、私は実は大変アナログな人間で、パソコンは苦手なのです。。。私は全ての設計を手書きで行っています。長年の勘と言うか、自分でいうのもなんですが、寸法も寸分違いません。下記のように定規で線を引いたり、色鉛筆で色を塗っています。

こちらは私が描いたジェネシスのデザインのCAD図面と、実際の製品の写真です。

また試作品は必ず自分の手で組み立てて、製作過程についても確認をします。ジェネシスを縦に切断して、動きが滑らかであるかを実際に目で見て確認をしています(写真説明)。

 

私はとにかく今まで世界に無い新しいものを作りたくてしょうがありません。不可能と言われれば言われるほど、“よしやってやろうじゃないか”と開発魂に火がついてしまいます。

 

狩猟でも絶大な威力を発揮するMarch-F 1x-8x24mm Shortyも私の開発魂が揺さぶられた製品の一つです。全長212mm(8.4inch)重量485g(17.1oz)のこのスコープは8倍比スコープとしては、世界最小最軽量のスコープなのです。21.2cmというと、男性の大きな手のひらと同じサイズです。

当社にある1x-8x24mm(イルミネーション有)よりも、全長を46mm短くし、75gも軽量化しました。今も製品ラインアップにある1x-8x24mmは、既にお客様からご好評を得ていましたが、どうしてもより改良されたスコープを世に出したいと挑戦したくなってしまうのです。開発者の性なのでしょうか。

この他にも世界初の開発に向けて日々邁進しております。自宅に帰っても書斎にこもり、何かいいデザインが無いか考え込んでしまうので、妻には書斎から出てくるように言われてしまいます。(笑)

 

仕事をする上で苦労している点を教えて下さい。

企業として将来に向けてのビジネスモデルの模索と、今しなければならないことのバランスをとるのが大変ですね。

 

自分なりに工夫している点はどのようなものですか?

社員(仲間)の幸せと、彼らの成長のために何をどうすれば良いかについて考え、実行に移しています。

 

今度仕事上で取り組んでみたいことは何ですか?

引き続き、世界に無かった性能・品質・機能を持ったスコープの開発に加えて、使用者の意見・要望をより重視した製品開発に取り組んでいきたいと思っています。ダルマに目を入れられる日も近いでしょうか。

趣味を教えて下さい。

絵画、彫刻、読書、草木土との戯れなどが私の趣味です。毎年お得意様先に送る年賀状は、自らデザインを考えて、木を削り、木版画を制作して、絵の具を乗せて一枚一枚刷っています。初めに女性のデザインを考えて原画を作りそれに合う風景画をデザインします。勿論手書き、かつ手彫りで作成していますよ。お見せするのは大変恥ずかしいですが、自宅玄関に飾ってあるコレクションをご紹介します。

 

 

伝えたいこと

企業の存在価値は「社員の幸せ・地域・国世界への貢献。企業の大きさよりも、内容の良い会社が理想。」

 

清水のこれまでの実績

OEM生産の光学企業に38年間在籍した中で開発した製品一例は下記の通りです。

日本初の二軸双眼鏡の開発(この開発により、科学技術長官賞、1975年グッドデザイン賞を受賞)

水密二軸双眼鏡

ズーム二軸双眼鏡

水密ポロ双眼鏡

ダハプリズム水蜜ズーム双眼鏡

水密ダハプリズム双眼鏡

水密ダハプリズムズーム双眼鏡

二段倍率双眼鏡等

いずれも世界初または日本初の製品を開発設計し世界に送り出しました。

DEONにおける実績

2007年:世界で初めてEDレンズを採用したベンチレスト用40×52を開発

2008年:40×52の姉妹機 50×52, 60×52, 10-60×52, 5-32×52を開発

2009年:ライフルスコープで世界初の10倍比スコープ1-10×24, 2.5-25×42を開発

2010年:10x比スコープに今も世界最高倍率の8-80×56と5-50×56を開発

2011年:3-24xFFPを開発

2012年:5-40xFFPを開発

2013年:1-8x24FFPを開発

2014年:2.5-25×32, 3-24×52を開発

2016年:瞳径の大きな1-4.5×24, 40-60×52 EPズームを開発

2017年:世界最小1-8×24 Shortyを開発

2018年:世界最高倍率比FFPスコープ 6-60x56FFP(GENESIS), 4-40×52(GENESIS)を開発

編集:森田真理

Back to page